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2000-09

ネットワークニュース115号



ごまかしの公共事業見直しではなくダムや空港を中止せよ!

伊庭内湖大阪オリンピック会場は即時返上を!


自公保による公共事業見直しが、世論に押されて発表されましたが、すでに指摘の声があがっているとおり中味の無い見直し計画です。島根県の中海干拓中止では自民党の亀井政調会長がその見返りを知事の要請に答えて約束したとも報道されています。吉野川にしても白紙撤回は場所を変えて計画が考えられているなどと、まったく市民をあざむく態度は情けないとしか言いようがありません。



 滋賀県でも、びわこ空港が大きな山場を迎えていますが、現在の厳しい財政状況から採算性、開発に伴う環境破壊を真剣に考えるならば、地元にその結論を押しつけるのではなく、県自らがいさぎよく中止の結論を示すべき時です。



 さらに、丹生ダムや永源寺第2ダムのように自然と琵琶湖に致命的な悪影響を与える公共事業に対して”ダメ”とはっきり主張すべきです。黙っているということは県も認めているということになり(実際認めているのだが)多額の血税とともに自然と琵琶湖が失われてゆくことになります。



 今回、2008年大阪オリンピック実現に向けて、自然豊かな伊庭内湖をボート会場にする計画が発表されました。県は日頃から内湖の重要な役割を県民に説き、ヨシ保護条例の保全地域にまで指定している大切な内湖を献上するとは、これほど言ってる事としている事が違う話はありません。オリンピックをすべて否定はしませんが、収賄スキャンダルで問題をおこしたサマランチ体制の金権体質や、千葉選手を選出しなかった日本水連の古い権威主義、財政赤字のうえに多額の血税使用などを考えると、それほどまでしてオリンピックを開催する意義があるのか疑わざるをえません。

 金居原揚水発電所建設についても、まだ県の回答は得ていませんが関電と通産省、環境庁の回答は首をかしげたくなるほど納得できないものです。すなわち関電は工事の影響ではないと専門家が言っているから工事を進めるといい、通産省は専門家が工事の影響は軽微と言っているから問題ないといい、環境庁は通産と同じようなことを言うだけでなく、その話しは事業者と許認可した通産に聞いてくれ。じゃあ専門家は誰だと聞くと、専門家を提供した(財)日本鳥類保護連盟は、非公開だからと教えてくれない。電力需要は頭打ちでクリーンエネルギーへの転換が急速に進められつつある中で、5000億ともいわれる膨大な建設費をつぎ込むとはまったく信じられない愚かな行為です。



 世界湖沼会議を来年に控え、琵琶湖をどうしたら守れるかを考え実践しょうとしている今、行政はきれいごとを並べるのではなく、バブルの申し子であるダムや空港を中止し、新たな大規模開発は行わない、本当の公共事業見直しを急ぐべきです。



通産省と環境庁の回答 関電から文書で上記の回答がありましたが、通産省と環境庁からは電話での回答となり、いずれも文書での回答は断られました。県は回答はするが9月20日まで待ってほしいと言ってきました。

 先に少しふれましたが、通産省の回答要旨は、「関電の現在行っている工事は、イヌワシにもクマタカにも影響は軽微との専門家の意見を聞きながらやっているので、工事を中断する必要ないと考えている。」環境庁は通産省の回答を追認したうえで、「協議会の検討結果に従って対策が講じられている。」とし、さらに、「この問題は当事者の事業者と許認可局の通産省に聞いてほしい。」と、まるで環境庁に聞かれるのが筋違いのような応対をしました。

 そして、そのよりどころにしている協議会の専門家メンバーを聞いたところ、委員を出している(財)日本鳥類保護連盟は氏名を非公開として明らかにしませんでした。

私たちとしては、県の回答を待って今回の公開質問に対する回答を検討し、評価と対応を決める方針です。





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大阪オリンピック環境計画(素案)に対する意見書 2000年9月4日

 びわ湖自然環境ネットワーク 

                   代表 寺川庄蔵

私たち「びわ湖自然環境ネットワーク」は、1990年の結成以来、一貫して琵琶湖とその集水域である滋賀県内の自然環境の保全に取り組んで来ました。

 ところが、先般公表された「大阪オリンピック環境計画(素案)」(平成12年8月:大阪市)によれば、滋賀県内に3ヶ所の競技施設が計画されていることが明らかになり、滋賀県内の自然環境保全の観点から大きな危惧を抱いているところであります。

 その3ヶ所の競技施設とは、「瀬田川スラロームコース」、「琵琶湖カヌーコース」、「琵琶湖レガッタコース」でありますが、各施設についてその問題点を指摘させていただきます。

瀬田川スラロームコース

瀬田川スラロームコースは、瀬田川洗堰から天ヶ瀬ダム湖上流に至る峡谷地形を利用するもので、施設計画では「既存」の施設として記載されており、あたかも新たな土木工事が全く必要ないかのように表記されています。

 しかしながら現在、現地には大規模な観覧席(収容人員12,000名)などの競技関連施設は全く存在しておらず、オリンピック開催に向けては当然新設が必要になります。

 一方、現地は両岸から急峻な山地が迫る狭い峡谷部に位置しており、巨石が散在する自然の峡谷地形や、水辺から山腹斜面に至る自然性の高い植生が良好に維持されてきた場所であり、こうした場所に観覧席をはじめとする大規模な競技関連施設を建設すれば、大規模な自然破壊が発生するのは誰の目にも明らかです。

 このように、瀬田川スラロームコースを「既存」の施設として記載し、あたかも新たな土木工事が全く必要ないかのように表記し、自然破壊が発生しないかのような幻想を振りまくような姿勢は、事実に反する行為であり、「環境と共生するオリンピック」を標榜する主催者の姿勢に根本的な疑念を抱かせるものです。

琵琶湖カヌーコース

琵琶湖カヌーコースは、琵琶湖の最下流部から瀬田川にかけての水域の一部を利用するもので、施設計画では「既存」の施設として記載されており、あたかも新たな土木工事が全く必要ないかのように表記されています。

 しかしながら現在、現地には大規模な観覧席(収容人員10,000名)などの競技関連施設は存在しておらず、オリンピック開催に向けては当然新設が必要になります。

 現地の水域は、両岸とも市街地化が進んではいますが、水辺の一部にはヨシやマコモを中心とする水生植物帯が存在するなど、残されてきた自然の価値は決して無視すべきものではありません。こうした地区に観覧席をはじめとする大規模な競技関連施設を建設すれば、水辺環境に大きな打撃を与える可能性もあり、慎重な対応が要求されるのは当然でしょう。

 また、競技規定に適合する水深の確保のため、新たな浚渫工事が実施されるのではないかという点です。オリンピックの開催が予想される夏〜秋期には琵琶湖の水位が大幅に低下する可能性があり、この点でも主催者の環境に対する基本姿勢が問われるところでしょう。

琵琶湖レガッタコース

琵琶湖レガッタコースは、神崎郡能登川町の伊庭内湖(大同川を含む)に新たに建設が計画されているボート競技施設です。

 伊庭内湖(大同川を含む)は、干拓によって姿を消した「大中の湖」の一部であり、琵琶湖周辺に残された内湖のうちでも特に規模の大きなものです。

 こうした内湖は、琵琶湖本湖とは異なり、浅くて静穏な水域であるため、琵琶湖に流入する汚濁物質を一時滞留・沈澱させることによって、流入水の浄化に大きな役割を果たしているとされています。また内湖の多くは、ヨシ・マコモなどの抽水植物をはじめとする多様な水生植物がよく繁茂しているため、さまざまな動物たちの生活の場としても重要で、特にフナ類・モロコ類などの温水性魚類にとっては、産卵場や仔稚魚の生育場などとして極めて大きな役割を果しているとされています。

 このように、内湖は琵琶湖本湖とは異なる特有の環境特性をもっており、本来の多様な自然環境の必要不可欠な構成要素と考えられています。さらに、こうした内湖の重要性は、多くの学識経験者や漁業関係者などによって繰り返し指摘され続けてきたことであり、内湖環境の保全が、現在の滋賀県の環境行政の中心課題のひとつであることは滋賀県民の共通認識として定着しています。

 伊庭内湖(大同川を含む)の規模・形状・水深などの諸条件を勘案すれば、国際規格のボート競技施設や観覧席などの関連施設を建設するためには、大規模に地形を改変し、莫大な経費を要する巨大な土木工事が必要であり、こうした巨大工事が、内湖の環境、特にヨシ帯を含む水辺の環境に甚大な被害をもたらすことは火を見るより明らかです。

現在の伊庭内湖(大同川を含む)には相当規模のヨシ帯が存在しており、一部の区域では現在でも「よし簀」作りのためのヨシ刈りが行なわれています。また、貴重植物の「ガガブタ」、「タコノアシ」(いずれも環境庁のレッドリストで「絶滅危惧種?類」に選定)、「オオマルバノホロシ」、「ノウルシ」(いずれも滋賀県版レッドリストで「その他の重要種」に選定)などの生育も判明しており、内湖に残されたヨシ帯として県下でも有数の存在となっています。

すでに滋賀県に対しても8月7日付けで要望書を出していますが、計画の即時白紙撤回を要求します。

おわりに

 いうまでもなく、琵琶湖は滋賀県民だけでなく、一千万人以上もの京阪神地域住民にとっても「命の水」としてかけがえのない存在であり、琵琶湖環境の保全は地域住民共通の永続的な課題です。

 主催者(大阪市)が「環境と共生するオリンピック」という題目を掲げる以上、真摯に環境保全の姿勢にたち、計画を早急に見直されることを要求します。





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事務局だより ゴミ学習会

9月23日(土)13:30〜16:30 

平野市民センター(膳所駅下車徒歩5分)

レクチャー木原敏氏(政策技術研究所)・ゴミ調査会報告と研究討論

ヒマラヤングリーンクラブ写真展

10月2日(月)〜13日(金)10:00〜18:00日、祝日休館

 アサコムホール(朝日新聞大阪支社)北区中島3−2−4 ?06−6201−8033

真野川改修を考える集い

10月14日(土)14:00〜16:00 

真野市民センター 真野4−6−2 

参加申し込み?077−543−7470(龍谷大学竺文彦教授)

 

消費社会を見なおす会フリーマーケット出展募集

10月29日(日)13:00〜17:00 坂本市民センター

 応募・問合せ:橋本関三氏?077−578−3517



 

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